2019年10月24日
『詰将棋の魔法』素敵なイベントになりました
参加型トークイベント『詰将棋の魔法』、無事終了しました。
「指し将棋の世界」とはまた違う「詰将棋の世界」を感じることができた、素敵な機会になったと思います。偶然新ヶ江さんと知り合ったところから思い切ってイベントを企画して良かったです。皆さまにも楽しんでいただけたのではないでしょうか。
来場者は34名。意外なところでは県外から(!)の方や、県内超強豪の方なども。まずまず盛況でした。
概ね事前のプログラム通りの進行。新ヶ江さん自作の資料をスクリーンに投影しながらのトークと、イベント後半は会場からの質疑なども。
話が難しくなりそうだったところはなるべく補足するようにしたつもりでしたが、どうだったでしょう。
新ヶ江さんのお話を詳しく聞くのは私も初めてでした。それでわかったのは新ヶ江さんはおそらく詰将棋作家の中でも特に創作に対するこだわりの深い方なのだろうということ。何十年のキャリアを持ちながら作品数が50と少なめであるのもそのこだわりの深さゆえのようです。発表当時もっとも短手数の煙詰めであった『伏龍』の手数を(もっと縮められたが)あえて短くしなかった話なども。表現者というより求道者といった方がぴったりかも。
作品解説は古典の将棋図巧、新ヶ江さんの自作、あとは沖縄の詰将棋作家 上間優さんの作品など。
ひとつひとつを詳しく解説する時間はなかったので飛ばすところは飛ばしつつ。詰め上がり図やそこまでの過程が派手な作品も多かったので、手が読めない人もそれなりに楽しんでもらえたのではないかと思います。それでも新ヶ江さんの『四銀詰』の解説は割と詳しく聞くことができました。1八香を配置するまでに苦労した話など面白かったです。
それから今回のイベントで重要な位置を占めたのは、上間優さんに関するお話です。
特徴的な大駒の「不成」を活かした作品は詰将棋ならではの意外性があります。またコンセプトを作品にまとめ上げる能力も卓越しています。
詰将棋作品への批評も甘くないだろう新ヶ江さんがベタ褒めするのもうなづけました。沖縄にこんなすごい人がいるんですね(しかし最近は作品を発表されていないようです)。
そんな上間さんはあまり詰将棋関係者との交流はなかったようで、新ヶ江さんも面識がないとのこと。ダメもとで来場者にたずねてみたところ、なんとおそらく上間さんであろう人と会ったことがあるという方がいらして、貴重なお話を聞くことができました。新ヶ江さんはとても喜んでいらっしゃいました。
後半は会場からいろいろな質問をいただきました。
ひとつだけ挙げると、詰将棋と終盤力に関する質問を受けてのアマ超強豪の方のお話はなるほどと思いました。
詰将棋をやると終盤が強くなるかはわからないが、実戦で詰ませにいく場面で自信をもって踏み込むことができるようになる、ということです。
とはいっても初心者に関しては、詰みの基本を身につけるために簡単な詰将棋を解くことはとても意味があると思います。
運営面では、アンケート用紙を配り忘れるという失敗がありました。ああ皆さんの感想が・・
それから会場設営、片付けなどたくさんの方が手伝ってくれ、とても助かりました。どうもありがとうございました。
もっとこうしたほうが良かったな・・・という点はたくさんあるのですが、次に活かせるようにしたいと思います。
詰将棋というのは将棋のルールを使ってはいるものの、指し将棋とはまったく別の表現であるということが、具体的に感じ取れる稀有なイベントになったと思います。
新ヶ江さん、来場者の皆さん、あらためてどうもありがとうございました。
たぶんこれを機に詰将棋を作ってみようと思った方もいらっしゃることと思います。はい、私もそのひとりです。詰将棋を創作、鑑賞する集まりなんかもそのうちできたらいいかなぁと少し思ったりしています。